日本企業復活へのHTML5戦略(小林雅一著)

HTML5を巡るアップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなど米IT列強の駆け引きから、家電ニッポンの復活戦略までを熱く語り、HTML5を出遅れた日本のITビジネスの救世主と説く。

ソニーは傘下にレコード会社を抱えてしまったので、CDの売り上げが落ちることを恐れて、デジタル音楽プレーヤーやオンライン音楽配信をへの取り組みがおろそかになった。」とある。これは今まで行ってきたビジネスありきで新しいビジネスを考えているのであって、消費者にとって何がベストかを考えていないことになる。

HTML5でのビジネスでも徹底した顧客目線で何が顧客(消費者)にとってベストなのかを考えることが重要、そして賛同する仲間を募って(信頼関係を構築するのは言うまでも無い)ネイティブアプリに対抗できるようなエコシステムを構築することだ。

おまけ、HTML5の主な機能など。
HTML5の主な機能は「Tag」と「API」から提供され、HTML5で追加された代表的なタグ(Tag)は、ビデオやオーディオの再生を行う

javascriptから呼び出すAPIには、オフライン機能を提供する「Web Storage」、端末の位置情報を提供する「Geolocation」、ブラウザ上でドラッグ&ドロップ操作機能を提供する「Drag & Drop」、サーバーとクライアント間のリアルタイム・コミュニケーション機能を提供する「Web Socket」、プログラムのバックグラウンド処理を行う「Web Workers」などがあり、まだ発展途上だ。

また、マッシュアップなどを目的とした複数のドメインと交信するクロスドメイン通信やアプリやデータを端末側に確保してネットワークが繋がらなくてもアプリを使うことが可能なオフライン機能も便利な機能ではあるものの、セキュリティ的には注意が必要だ。

HTML5はiOSやAndroidのネイティブアプリ無しでもかなりのことができそうです。FRONTiER-Androidの次はiOSのネイティブアプリに心が傾きそうになりましたが、次はやはりHTML5版にしようと思う。