ビッグデータ時代の新マーケティング思考(横山隆治、海老根智仁、鹿毛比呂志共著)

ビッグデータ時代を迎えて、ネットでのマーケティングがどのような方向へ向かっているかを示唆する良書です。

従来のアスキング型のリサーチの加えてソーシャルメディアの普及によりリスニング型の比重が高まる。この場合過去に遡るなどの調査が容易なことも大きな利点になる。

ターゲットの選定は送り手主導=プッシュ&固定的から受け手主導=プル&動的な方法が増加しており、ウェブサイトでの広告も「枠」からターゲットをクッキーで判別して特定の「人」へと変化している。Facebookでは企業のCRMデータと照合してピンポイントで広告を表示させるなども行っている。

最近脚光を浴びているトリプルメディアマーケテングの要素であるオウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディアなどもCRMと合わせて情報を統合してアトリビューション分析やプロファイリングなどでターゲティングに活用しPDCAを回す。

これらは、リクルート社など大手企業の事例にあるようなことですが、今後は様々な企業に広がっていきそうです。中小企業などには、Amazon Elastic MapReduceなどのクラウドビッグデータ処理サービスとオウンドメディア、アーンドメディアの組み合わせで安価に企画から運用までサポートするようなビジネスなども有望ですね。