キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる(佐々木 俊尚著)書評風味

 電子書籍で購入して、iPadのi文庫HDに収納して読みました。当初左から右へ指を滑らせてもページがめくれず、あれれと思いましたが、右から左に返す指がiPadの画面に当たりめでたくめくれました。横書きだと本の綴じ方も逆でしたwこんなこともあり、EPUBの現状での仕様では縦書き(縦組み)が出来ないのを若干の不満を伴って読みました。

 翻訳物のIT系の本は、歴史や哲学を振り返るなど、新しい「視座」を読者に提供することが多いのに対して、国産(この言い方って変かなw)のIT本はあまりにも実務的でデバイスやソフトウェアの使用方法や活用例に重点が置かれる傾向が強い。

 それに対してこの「キュレーションの時代」は音楽や映画などアート、歴史、そしてもちろんITの動きを様々な物語として語り、読者の「キュレーター」像の輪郭を確かなものにしていき、これからのソーシャルメディアの姿、そして社会の有り様を示しています。佐々木さんの幅広い「視座」が堪能できる素晴らしい一冊でした。

 終章でグローバリゼーションと文化について述べていて、マクドナルドをグローバリゼーションとしつつも、それだけがグローバリゼーションではなく、多様性を含むものとしています。EPUBに日本の文化である縦書きがサポートされるのを願うのは私だけではないだろう。